平成27年度横浜市予算編成に際しての要望大綱提出について

 自由民主党及び公明党の連立与党のもと、我が国は、長期にわたるデフレと経済低迷を脱すべく、経済再生への歩みを進めつつある。本市においても、国の取組みとも歩調を合わせて、市の経済再建を力強く進めていくことが求められている。
 横浜は、今後ますます激化する国際競争、都市間競争をリードし、常に成長し続ける都市であらねばならない。この4年間で、我々自由民主党が公約した各種条例の制定や、条例に則った施策の推進など、着実に市政改革の成果が出てきている。今後も、現在策定中の新たな中期4か年計画を踏まえ、未来の横浜の姿を描きつつ、骨太なまちづくり、持続可能なまちづくり戦略を策定し、力強く推進することが求められる。
 活力ある経済と市民生活の安全・安心が、政策の根幹である。市民生活・経済活動を支える都市基盤の拡充を推進し、将来を十分見据えながら、成長戦略に計画的かつ継続的に取り組んでいかなければならない。
 また、地方の創生や女性の活躍促進など、国政における重要課題に対しても、我が国最大の政令指定都市として、どのように貢献できるかを議論し、実行していく必要がある。
 以上を踏まえ、新年度予算編成に際して、ここに要望大綱を提出し、以下の基本方針及び具体的施策の早期実現を、市長並びに幹部職員に強く要請する。

平成26年12月1日

自由民主党横浜市会議員団  
団   長  梶 村   充
副 団 長  酒 井   誠
副 団 長  山 下 正 人
副 団 長  黒 川   勝

自由民主党横浜市支部連合会 
会   長  松 本   純
幹 事 長  畑 野 鎭 雄
総務会長   松 本   研
政務調査会長 古 川 直 季

1.都市経営・行財政改革

基本方針

 横浜市が持つ大都市としての潜在力を最大限に発揮するためには、主体的な都市経営が可能となる大都市制度の実現が必要である。そのため、国で進めている「道州制」との整合性を図りつつ、他の大都市とも連携しながら、特別自治市制度の早期実現を目指されたい。
 行財政改革に関しては、国・県に対して権限と財源の移譲を積極的に求めつつ、「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」を踏まえ、支出の見直し・適正化を継続的に行い、財政健全化に向けて取り組まれたい。

具体的施策

① 県と市の二重行政を解消し市民サービスの向上を図るため、すでに移譲された県費負担教職員の給与負担をはじめ、各種の権限・財源の移譲を推進されたい。その際、権限に見合った十分な財源移譲を実現し、自律的な地域経営が行えるような制度に向けて精力的に取り組まれたい。

② 健全な財政を維持しながら、不断の行財政改革を実施し、事業見直しやコストの縮減等で財源を確保し、施策の選択と集中を進め、メリハリのある施策を実行されたい。

③ 職員の人件費の見直し、外郭団体の見直し、保有資産の適正化、特に市有地の活用、公共インフラの長寿命化・メンテナンスなどについても、具体的な目標を設定して実行されたい。なお、時代の変化を踏まえた新たな課題にも的確に対応されたい。

④ 明日の横浜の持続的発展のため、高齢者を支える生産年齢人口の市内誘導、女性の活躍促進、都市計画の見直しや事務所事業所の立地誘導などにより、横浜経済の活力を高め、税収の増加、ひいては本市財政の基盤強化を図られたい。

⑤ 国政上の重要課題となっている「地方創生」について、大消費地としての立場を活かした地方への貢献など、都市部と地方がwin-winの関係を築き、我が国全体の発展につながるような政策を推進されたい。

2.都市基盤整備・環境政策

基本方針

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて、我が国を代表する国際都市にふさわしい都市基盤を形成することが急務である。そのため、港湾機能の強化、交通ネットワークの充実、災害に対するインフラの強靭化など、抜本的な整備を推進されたい。
 市民生活の安全・安心と利便性向上のため、生活道路の整備について取組を加速されたい。昨年成立した条例等に基づき、「自助」「共助」「公助」による防災・減災対策を推進されたい。その際、都市基盤施設・防災施設の耐震化、地域防災拠点の追加指定、地域のリーダーの育成、備蓄の強化など、ハード・ソフト両面にわたる対策の強化を図られたい。
 少子高齢化のさらなる進展に伴って、都心臨海部、郊外部の再生をはじめ、市域全体のバランスある発展と活性化に資する施策がより一層求められるようになる。特に、従来から都心部の発展を中心的に担ってきた関内・関外地区の活性化を図り、都心部全体を牽引していくことが必要であり、これと連動した必要な機能を備えた新市庁舎の整備を推進されたい。

具体的施策

① 新市庁舎整備については、老朽化、分散化、狭あい化に伴う弊害を解消し、災害時の本部機能や迅速な市民サービスが行える機能、市民に親しまれるとともに国際都市としてふさわしい迎賓機能などを備えた庁舎として、早急に整備されたい。その際、都心臨海部の再生や、関内・関外地区の活性化に寄与し、横浜をさらに発展させていく起爆剤となるよう計画されたい。

② 国家戦略特区などの国の支援策も活用して、水素エネルギーをはじめとする次世代エネルギーの普及促進を強力に図られたい。また、新市庁舎における最先端のエネルギーシステムの導入を推進されたい。

③ 横浜市災害時における自助及び共助の推進に関する条例、市防災計画、地震防災市民憲章、地震防災戦略等に基づき、市民・事業者に対する啓発活動の推進、地域防災組織の強化、防災訓練の拡充、発災時の情報提供体制や通信基盤の整備、消防団団員のための環境改善、乳幼児・女性・高齢者・障害者への対策強化、ペットの防災対策等を推進されたい。

④ 市の危機管理機能の強化や、財源を確保した上での防災・減災対策事業を推進されたい。特に、がけ・河川などの危険区域、道路・トンネル・橋梁などの都市基盤施設、区役所や小中学校等の公共施設の安全対策の強化に努められたい。

⑤ 都市の骨格となる道路や鉄道網の整備については、積極的な財源確保を図りつつ着実に推進されたい。特に、横浜環状道路南線・北線・北西線の整備促進と西側ルートの早期事業化、横浜港と関連する国道357号線の整備促進、神奈川東部方面線の整備促進と高速鉄道3号線の延伸、横浜環状鉄道の早期事業化や、臨海部新交通網の整備を図られたい。

⑥ 米軍施設跡地について、市民が将来にわたって有意義に活用できるよう、地域の活性化や広域的な課題解決に資するような利用計画の具体化を図られたい。

⑦ 緊急に完成すべき都市計画道路の整備を促進するとともに、市民生活に密着し防災の機能も果たす生活道路の整備と狭隘道路の解消を推進し、市内のインフラ格差を是正されたい。特に、整備促進路線の指定・拡幅整備、建築主等への指導を強力に推進されたい。

⑧ 緑の保全・創出や農業振興に配慮しながら、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に関する権限移譲も見据えて、適正かつ有効な土地利用の実現により市内の均衡ある発展を図られたい。そのため、線引き見直しによる都市開発の促進や事務所事業所の立地誘導などの取組を進められたい。

⑨ 「横浜市の公共建築物における木材の利用の促進に関する方針」に基づいて、公共建築への木材利用の推進を図られたい。

⑩ 緑被率の低下が懸念される中、都市公園の整備や都市緑化の強化に取り組まれたい。横浜みどりアップ計画新規・拡充施策を継続し、機運を盛り上げる市民参加型の啓発活動を実施するとともに、花と緑あふれる横浜にふさわしい「全国都市緑化フェア」を開催されたい。

3.経済政策、中小企業・農業対策及び港湾政策

基本方針

 景気回復の機運が高まりつつある中、消費税増税を乗り越えて力強く成長する経済を実現する必要がある。そのため、国の経済政策とも連動し、企業の収益改善と給与の増加を後押しされたい。
 特に、地元中小企業の振興やイノベーション支援、商店街の活性化に積極的に取り組むとともに、市内産農産物のPRや地産地消を推進し、横浜ブランドが市内外でより親しまれ、市内農業が活性化するよう努められたい。
 また、横浜経済の要となる横浜港の国際競争力を強化するため、次期港湾計画を策定して、さらなる機能拡充を推進されたい。

具体的施策

① 経済が好転する機運が高まってきている機会を逃さないよう、本市経済の中心をなす中小企業への支援策の充実や、入札契約制度の改善、受注機会の拡大、商店街の振興策などを充実されたい。

② 市内企業による雇用の創出・拡大を積極的に支援するとともに、求職者に対するスキルアップやキャリア・カウンセリングなどの支援を充実されたい。

③ 国家戦略特区をはじめ、トリプル選定(環境未来都市、国際戦略総合特区、特定都市再生緊急整備地域)などの国家プロジェクトを活かし、規制緩和等を活用して国内外からの企業誘致に努めるとともに、成長分野に果敢に挑み、設備投資や海外進出など意欲のある企業への支援も拡充されたい。

④ 横浜港は、大規模物流ネットワークを構築する「国際コンテナ戦略港湾」として、さらなる機能拡充に向けた環境の整備に一層努力されたい。次期港湾計画の見直しに向けては、防災機能の拡充や、国際競争力の強化、臨海部の親水性や賑わいの創出に努められたい。

⑤ 横浜経済の起爆剤になるよう、IRを含めた大規模集客施設の整備を推進されたい。

⑥ 本市が国際的な拠点都市としての地位を確立するため、羽田空港の国際化を積極的に推進されたい。

⑦ オープンデータの取り組みを進めることで、市内中小企業のビジネス・チャンスを拡大されたい。

⑧ 横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する条例に基づいて、多様性のある都市農業の振興を図られたい。

4.医療・福祉・子育て政策

基本方針

 市民の生命を守ることは、市に課せられた最も基本的な責務である。この責務を果たすため、健康づくりや、疾病予防対策、医療対策、医療体制の確立に取り組まれたい。また、地域の絆を強化し、社会的孤独の防止や災害時の助け合いなどに力を発揮する地域づくりを推進されたい。
 医療分野においては、横浜市立大学医学部、市立病院や地域中核病院などの既存資源が十分活かされるよう、時代の要請に応える医療戦略を構築されたい。
 高齢者施策については、特別養護老人ホームやショートステイ等の高齢者施設の充実・助成の強化を図るとともに、介護における在宅支援サービスの充実や高齢者に適した住まいづくりの支援を強化されたい。
 障害者施策については、部局間の縦割りを排し、幼少期から学齢期、成年期まで一貫した支援ができるよう、全庁的な取り組みを推進されたい。
 子育て支援施策については、家庭での子育て支援の充実など、安心して子育てができる環境づくりを推進されたい。少子高齢化時代の諸課題について、適時適切に時代にふさわしい政策を推進されたい。

具体的施策

① 健康寿命を延ばす取組をはじめとして、市民の健康づくりを推進するとともに、地域医療における人材を確保し、市民が身近で安心して医療が受けられる体制づくりを推進されたい。特に、市民病院については、幅広く医療資源とつながりをもてるよう、市民の健康を守る拠点として、速やかな建て替えを推進されたい。

② 最先端の医療技術の導入とともに、健康診断の啓発、早期発見・早期治療のための検診など、疾病予防の充実を図られたい。また、がん撲滅を目指し、予防、早期発見、治療などの総合的ながん対策の先進都市となるよう、横浜市がん撲滅対策推進条例に基づく取組を推進するとともに、本市独自の高度先進医療施設の整備を実施されたい。

③ 食品検査など食の安全・安心を守る対策を徹底するとともに、食育を通じて市民の健康増進と医療費の削減に寄与されたい。

④ 家庭で子育てができる環境整備のため、企業の理解促進などの取組みを進められたい。また、待機児童対策に引き続き取り組みながら、定員割れ、扶助費の増加、保育の質の低下等の改善を図られたい。

⑤ 高齢者の健康寿命日本一を目指し、認知症の予防・早期対応、介護度改善に対するインセンティブ付与の仕組みの検討などに積極的に取り組まれたい。

⑥ 障害者の雇用促進、虐待防止、成年後見制度の積極活用など、障害者が安心して快適に生活できる環境づくりに取り組まれたい。

⑦ 区役所における総合的な相談(コンシェル)機能を充実するとともに、地域密着型の相談機能を担う地域包括支援センター、在宅医療連携拠点、小規模多機能型居宅介護支援事業所、ショートステイ施設等の整備などにより、地域包括ケアシステムの実現を図られたい。

⑧ 児童虐待防止について、悲しい事件が二度と起こらないよう、横浜市子供を虐待から守る条例に基づいて、保護者との信頼関係の醸成、関係者・関係機関の役割の明確化や情報共有の促進などの取組みを推進されたい。

5.教育、文化・スポーツ及び観光政策

基本方針

 世界が大きな変革期を迎える中で、子供たちには、自ら人生を切り拓いていく知恵と力をつける教育が必要である。そのため、学力の向上とともに、豊かな心や郷土愛、道徳心の育成に努め、教育環境の整備や教師の資質向上を推進するよう、きめ細かな教育を実現されたい。
 東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、市民の文化・スポーツ活動のさらなる振興と、文化・スポーツ施設の充実、世界に通用するアスリートの育成に取り組まれたい。
 また、大型国際会議やイベントの誘致を引き続き進めるとともに、大型客船の寄港促進、観光スポットの魅力向上など、海外観光客の誘致をさらに推進されたい。

具体的施策

① いじめ、校内暴力、不登校、学級崩壊等に加え、教職員の不祥事や成績表の記入ミスなど、市民の不信感を増している教育問題に断固対処されたい。そのため、教師の資質や教える力の向上を図るとともに、学校、児童・生徒、家庭の連携を密にし、原因究明と解消を図るよう取り組まれたい。

② 横浜型小中一貫教育の成果について不断の検証と改善を進め、学習指導と生徒指導をさらに充実させるよう取り組まれたい。民間人校長を含め多様な人材の採用も積極的に推進されたい。また、洋式トイレの整備など、学校施設の整備・改善に取り組まれたい。

③ 児童・生徒に対する体力・文化意識の向上を目的として、小中学校における部活動の活性化の更なる支援を行われたい。また、中高生の保育体験や職業体験など、生活体験・社会体験活動の推進を図られたい。

④ あらゆる教科において、改正教育基本法の精神に基づいた教科書が採択されるよう、引き続き取り組まれたい。また、正しい歴史認識に立った領土教育を進められたい。

⑤ 国際都市横浜として、国際理解教育の充実を図るとともに、英語教育の推進に取り組まれたい。

⑥ 子供からお年寄りまで、地域の身近な場所でスポーツが楽しめるよう、野球場・サッカー場など屋外スポーツ施設の整備や、学校施設の開放を推進されたい。

⑦ 国際芸術祭の開催や国際スポーツ大会の誘致に戦略的に取り組まれたい。また、国際都市横浜らしい芸術プログラムが実施できるよう、文化芸術政策を再考願いたい。

⑧ 観光・MICE事業に積極的に取り組み、コンベンション施設を拡充するとともに、来街者の文化・観光施設への回遊性を高めながら、IR施設や市街地レース等に関する調査研究を推進し、宿泊型の滞在者の増加を図るためのアフターコンベンションの充実に努められたい。

⑨ 国際社会で活躍できる人材を育成するために高校生の海外留学を推進されたい。

⑩ 花博の開催等、国内外に横浜をアピールできるイベントの誘致に積極的に取り組まれたい。

以上