平成25年度横浜市予算編成に際しての要望大綱

最重点項目

世界経済の悪化による外的要因や国内における長引くデフレや円高といった問題が長期化している中で、本市経済の中心である市内中小企業において資金繰りを支援する融資や受注機会の増大など一層の振興策を講じられたい。

特別自治市制度においては、東京都特別区のような新たな自治構造をつくるのではなく、県と本市における非効率な二重行政の解消や行政サービスの一元化、また、大都市の役割に見合った権限・財源の配分を持ち、本市の権限と責任で地域経営を行えるような本市に馴染んだ制度創設に向け取り組まれたい。

大規模物流ネットワークを構築する国際コンテナ戦略港湾の実現は地域経済の活性化を図る大きなチャンスである。横浜港における民間事業者の施設整備等に対し機能強化を積極的に図り、高機能インフラを最大限活用するための環境整備をされたい。また、横浜港、東京港、川崎港の三港における戦略的協力においても本市が中心的な役割を果たされたい。

現市庁舎は昭和三十四年に建てられた建物であり、老朽化など耐震の問題が心配されている。また、周辺ビルなどの機能分散により、様々な弊害や、迅速な市民サービスが行えていない状況である。今後、予想される大規模震災に備え、防災拠点として市民の暮しをしっかりと守るための陣頭指揮が取れる庁舎、市民本位の迅速な行政サービスが行える庁舎、国際都市として内外に開かれた庁舎を早期に整備されたい。

一、都市経営・行財政改革

・安定的な地方財源の確保を目指し、国との交渉を強く進め、限られた財源の中で事業の優先度や緊急性の考慮をしつつ計画的且つ効果的に反映させた行政運営に努められたい。また、配分された財源だけに頼らない仕組み作りや無駄撲滅などに取り組み財政運営の充実を図られたい。市債の発行については抑制する部分と、震災対策といった必要な市債発行の継続など見通しの試算をしっかりし将来に負担を残さないよう図られたい。

・指定管理者制度の新たな導入施設については、その施設の管理・運営のあり方をよく検討し、管理委託が本当に必要であるかの検証をしっかりしてから導入されたい。また既に民営化された業務、指定管理者制度についても見直しや再検証をし、民間の活力を導入すべき業務や施設は継続を活用しつつ住民サービスや行財政経費の削減に努められたい。

・行政運営に際しては、一層の事業の見直しやコスト削減を推し進め、財源の確保を図り、必要のある施策に取り組まれたい。
また、職員を適材適所に配置できるようスキルアップに努め、技術職の職員育成にも取り組まれたい。

・市内中小企業の振興のため横浜市中小企業振興基本条例に基づき、分離・分割発注の徹底や市内中小企業における受注機会の増大に取り組まれたい。また、事業者の技術力、施工力、経営力を適正に評価する総合評価落札方式の拡充を図ると共に、予定価格の事前公表の完全撤廃をされたい。

・民間企業やNPO法人などによる公共サービスがますます拡大するなかで、外郭団体の見直しや、保有財産の適正化を図り、財政の更なる健全化に取り組まれたい。

二、都市基盤整備

・道路網の整備は都市機能の要であり、経済活動・市民生活に直接関わる重要な課題として、本市道路網の動脈となる三環状十放射道路の着実な整備促進のための必要な財源確保を図られたい。

・横浜環状道路は、港をはじめとする本市経済の発展や市民生活のために欠くことのできない重要な路線であり、横浜環状南線・北線・北西線のさらなる整備促進を関係機関と連携のもと取り組み、西側区間のルートについても早期に決定し事業化されたい。

・都市計画道路の見直しには、市街化が進み人口が著しく増加している地区や大型商業施設が進出した地区等、整備の緊急を要するものについてしっかりと検証し、交通混乱を解消するよう努められたい。

・横浜港の恵まれた立地を活かすため、港湾・物流機能の強化やふ頭の再整備を進めると共に、国道三五七号線及び臨港幹線道路といった道路網の整備や、鉄道においては京浜臨海線など交通体系の整備を図り、また羽田空港との戦略的関係の構築など陸・海・空の全てが便利で利用しやすい京浜臨海部を再編整備されたい。

・市民生活の利便性向上や住宅市街地活性化も含めた都市機能強化のため、「神奈川東部方面線」における西谷~羽沢間の事業の完成・羽沢~日吉間の早期の事業着手と共に、「高速鉄道三号線延伸」や「横浜環状鉄道」の早期事業化を図られたい。

・電線地中化は、災害時において電柱の倒壊の危険性や、緊急車両通行の妨げとならないメリットがある。また都市景観の改善や電柱がなくなる事で道幅が拡がるなど様々な効果が期待できるので震災対策補助金の活用も含め可能な箇所から早急に整備されたい。

・狭あい道路の存在は災害時に緊急車両が入れないなど大変危険な事態が予測される。また市民生活にとって通行上や環境衛生上の問題もあり、市民が安心して使用できる生活道路を早急に整備されたい。
また歩道や自転車専用通行帯等、安全で快適な移動空間の確保に努められたい。

三、防犯・防災・減災施策

・災害から生命・財産を守り混乱や被害を最小限に抑えるためには、日頃からの市民一人ひとりの備えが何より重要であり、こうした「自助」の意識を改めて持っていただくため、現在作成中の「市民防災憲章」を早期制定し、市民に向けての啓発広報の拡充をされたい。

・発災時においては各自の備えに加え地域での助け合いである「共助」が重要であり、そのための要援護者や支援可能者の情報把握や支援の仕組みの構築、地域防災訓練の拡充などにより地域の連携や防災力の向上に努められたい。

・災害時においては情報の不足が、避難の遅れ、帰宅困難者の発生、交通渋滞等の混乱を誘発し、人命救助、物資の搬送等の対策を遅らせる大きな要因となっている。そこで市民の冷静な行動を促し的確な対策を講じるための、正確な情報を速やかに伝える広報活動及び通信基盤の整備を充実させる施策を図られたい。

・発災時において消防団、地域防災拠点運営委員、ライセンスリーダー等の役割は極めて重要であるにもかかわらず、活動の危険性に見合った保障等の整備が不十分であるため、このことが慢性的な担い手不足の要因となっている。保険の充実、活動費助成の拡大等、これらの組織が安心して活動できる環境の整備をして人員の拡充を図られたい。

・大規模地震による避難生活は長期化することが予想されるため、地域防災拠点において特に高齢者、乳幼児、女性に配慮した備蓄の充実を図るとともに、自家給油施設、非常電源設備、LPGガス等必要不可欠な燃料の多様な手段による確保策を講じられたい。
また、ペット対策についても考慮されたい。

・区災害対策本部は、速やかに本部長の判断のもと目の前の事態に迅速・的確に対応することが求められるため、職員の参集可能人員の把握や、区本部長の判断で物資や役務を調達できるシステムを構築されたい。また、医療拠点整備については特段の配慮をされたい。

・市長・副市長に直結した全庁をより統括できる危機管理室への移行、自衛隊関係者の配置、公設消防力のさらなる強化等、危機管理体制の強化を図り、現有体制において最大限力を発揮できる仕組みを構築されたい。

・東日本大震災では、がれきの仮置き場、仮設住宅の建設場所、遺体安置所等が事前指定されていなかったことにより選定において非常に時間を要した。復旧、復興へ速やかな移行を可能とするためにも、これらの受け入れ施設を方面別に指定するとともに、推進方法・体制を明確に示されたい。

・東日本大震災に際しては、ここ横浜においても市内各所で大渋滞が発生した。原因は様々であるものの長時間にわたる踏切遮断が大きな要因となったのは明らかであるため、鉄道事業者や警察等と連携し、柔軟に対応していく体制を構築されたい。

四、経済活性化施策

・地域経済を支える市内中小企業に対し、横浜市中小企業振興基本条例の理念に基づき、資金調達など金融面で支援をし、厳しい経済状況を乗り越えられるよう図られたい。
また、横浜市が全国で唯一の特区のトリプル指定を受けた利点をいかして、大企業の誘致等市内経済活性化に向けた総合的な強化策を講じられたい。

・国から地域再生制度による「国際コンテナ戦略港湾京浜港を活用した地域再生計画」を認定されたのをいかし、港湾物流を強化するための横浜港のハード・ソフト両面においての機能強化を図り、国際競争力を高めるとともに更なる横浜港活性化に努力されたい。

・商店街は地域のコミュニティを支えてきた大切な資源と捉え活性化させることが今後の施策展開における重要な視点であり、それを踏まえた上で大型商業店舗と競争できる振興策についても講じられたい。

・新技術・新製品の開発は企業の成長に必要不可欠であり、市内企業の成長は市内経済の発展に繋がるものである。
市内企業の技術開発等に対する助成制度を講じられたい。

・人、物の流れを大きく変える羽田空港の国際化は、本市にとって大きなチャンスである。
先の、本市におけるAPECやアフリカ開発会議等の開催実績をいかし、企業等の会議や国際会議などMICEを積極的に誘致し、本市が国際的な拠点都市として確立できるよう総合的な戦略を図られたい。
またアフターコンベンションとしてのカジノ構想や市街地レースなどの調査研究を推進し、国の法改正を見据えながら、経済活性化、税収向上を目指し実現に取り組まれたい。

五、こども青少年・教育問題

・児童教育にあっては、愛国心、道徳心、奉仕の心、慈愛の心など精神面の教育と共に、健康で健全な体力の向上を目指し、知育、徳育、体育、食育などバランスのとれた特色溢れる横浜の教育体制を確立し、しっかりとした人材を育てられたい。

・現在、政令指定都市における県費負担教職員は任命権者と給与負担者が異なる「ねじれ」状態にあり、地方分権を進めるために政令指定都市に給与負担及びそれに伴う充分な財源を移譲することでより自主的な教育行政が展開できるものと考えられる。
横浜市として国に対してさらに強く働きかけ、制度見直しの早期実施を求められたい。

・教育の重要性を充分に認識し、優秀な教師の確保と人材育成システムの強化を図ることにより学校関係者の資質を向上させ、保護者、地域、家庭に信頼される体制を構築されたい。

・国際都市横浜として、「国際理解教育」の充実を図られたい。
特に、学習の基本となる国語教育の充実を図るとともに、実践的な英語教育も推進されたい。

・歴史教育にあっては、誤りや誤解を招くことがないよう正しい歴史認識の下、児童・生徒が日本人として将来にわたり自信と誇りが持てるよう取り組まれたい。また、中学の教科書採択の現状を踏まえ、中高一貫校においても横浜市の一貫性を担保できるよう努められたい。

・いじめ、校内暴力、不登校、学級崩壊等、教育現場での問題に市民の不信感は増すばかりである。学校、児童・生徒、家庭との連携を密にし、責任ではなく原因の探求に努め、根本的な問題を見出し、また教育委員会の内向き体質を改善し市民の信頼を得られるよう、根絶に向け全力で取り組まれたい。

・学校給食にあっては、それぞれの学校において引き続き市内産及び地域密着の食材調達を優先し、「食育」の大切さを通し横浜市の理解を深めるとともに、中学校昼食の充実についても図られたい。

・老朽化による公立学校の建物は、災害時に倒壊の恐れがあり、そこで学ぶ子供達の命を守るという観点からも非常に危険である。また災害時の重要な拠点場所となることからも建替え、大規模修繕に向け早急な計画策定をし、特段の予算措置を図られたい。

・本年より中学校において武道が完全必修化され、健全な人材育成としても武道は重要である。そのため、各校において武道ができる施設・環境を整備されたい。

・待機児童の解消対策として施設整備が進められてきたが、横浜市では平成二十四年度当初において待機児童が約180名なのに対し、約1500名の定員割れが生じているため、今後少子化が進んでいく中で、公立保育園の廃止も含めた検討をされたい。

・今後の保育施策のあり方としては、家庭保育の充実といった施策を図り、幼保三法による幼保一体化については関係各方面と十分な議論を重ね慎重に検討をされたい。

・少子化対策として、子育て家庭応援事業の更なる積極展開を図り、安心して子供を生み育てられる環境づくりを推進されたい。
また、子供の命を守ることを最優先し、益々深刻化してきている児童虐待やDVの根絶を目指し家庭・地域と連携を密にするなど、相談窓口機能を強化することにより、社会的養護の充実等の支援体制を推進されたい。

六、文化・スポーツ振興及び観光施策

・市民に身近な文化活動ならびに市民スポーツの振興を図るため、拠点となる区民文化センター等の充実整備を着実に進められたい。また、横浜市文化体育館の建て替えも含め市立の武道館を建設されたい。

・横浜の特色ある魅力を生かし、みなとみらい二十一地区・赤レンガ倉庫・港等、集客力の高い観光スポットと既存の文化・観光施設の回遊性を高め、観光客招致に努められたい。特に、民間企業・団体との連携を強化し、宿泊型の観光客招致を推進し、観光外貨の獲得に努められたい。

・世界に発信できるアーティストの集積拠点として、都心臨海部を整備し、国際芸術祭の開催推進など国際文化都市横浜を内外にアピールされたい。また、イベント開催にあたっては、市民への広報の方法も含めて周知徹底を図り市民全体が参加可能となるよう努められたい。

・ワールドカップサッカー大会・パンパシフィック国際水泳大会・国際女子マラソン・国際トライアスロン大会などの国際スポーツ大会開催の経験を活かし、今後の国際スポーツ大会の招致活動においても引き続き積極的展開をされたい。

・横浜マラソンをフルマラソン化することにより、東京マラソンのように市民が参加できる一大スポーツイベントに押し上げ、国際スポーツ都市横浜を内外にアピールされたい。

・関係4県市と共同で鎌倉市の文化財を含め本市の称名寺・朝夷奈切通の世界遺産登録に向け取り組んできた。平成二十五年には登録可否の決議予定であるが、登録後の観光客の多数集客も見据え、世界遺産にふさわしい街づくりに取り組まれたい。

七、環境施策

・より快適な市民生活に向けて、都市公園の整備をはじめ、都市緑化政策を図り、緑あふれる大都市横浜を推進されたい。また、横浜みどり税については、使途を明確にし、市民にもわかりやすいよう広報するなど努め、市内の環境創造や保全など使いやすい税として継続されたい。

・地球温暖化対策をはじめ、地球規模の環境問題への対応は全ての地方自治が取り組むべき課題である。
市脱温暖化活動方針(CO―DO30)を柱に、市民・事業者との連携を強化し、温室効果ガスの排出抑制に努められたい。
また、発電事業の新たな推進にあたっては、風力、太陽光等の新エネルギー導入を促進することにより電力生産の高効率化を図り、温室効果ガスの発生抑制に努めるよう電力業界及び関係機関への働きかけを強められたい。

・我が党が主導した横浜市廃棄物等の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例の一部改正(持ち去り禁止条例)に基づき、市内で多発する資源ごみの持ち去りの取り締まり強化を市民の協力のもと行い、引き続きリユース促進をされたい。また、環境問題への市民の理解を進め、学校における環境教育を更に充実されたい。

・都市農業の保全を進め、地産地消の浸透を図り、地場農作物の流通を積極的に支援されたい。また、農家資格を有する市民に対し、農業経営という視点での支援を行われたい。特に、新規の農業従事希望者への積極的な支援とマッチングの仕組みづくりを行い、荒廃農地の解消と新規雇用の創出に努められたい。

・「樹林地を守る」「農地を守る」「緑をつくる」の3本柱を基本とした「横浜みどりアップ計画」の事業継続を推進し、各事業の実施にあたっては、市民も参加できるような施策に取り組むなど市民の理解が十分得られるよう図られたい。

八、福祉・介護・医療・少子高齢化施策

・特別養護老人ホーム等の老人施設整備に対する更なる助成強化と同時に、ショートステイにおける空床の有効活用にも取り組まれたい。
また、喫緊の課題である人材確保については、助成策をはじめあらゆる手立てを講じられたい。

・住み慣れた自宅で安心できる療養生活を望む高齢者に対し家庭内支援等のサービスの充実を図り、在宅医療と介護の連携強化に取り組むなど介護サービスの質の向上に努め在宅生活を支援されたい。

・障害者が安心して地域で生活できるよう、「将来にわたるあんしん施策」の内容の充実・拡充をし、多面的支援をされたい。
また、障害者の雇用促進に向け、企業・団体への働きかけを積極的に行い、インセンティブ発注などを図り障害者雇用の促進・継続に取り組まれたい。

・地域の医療従事者の育成に積極的に取り組み横浜市大病院と連携を図りながら、地域医療における人材確保を推進し、市民が身近で安心して医療を受けられるよう努められたい。

・本市のガンによる死亡率が全国平均より高いことからも、市民の健康づくり、医療対策・医療体制の確立が喫緊の課題である。
また、最先端の医療技術の導入や早期発見のためのがん検診の充実と啓発活動、人材の育成等に積極的に取り組み、市民の生命保全に一層努められたい。