震災に強い都市「よこはま」を確立するための十の提言(平成23年12月21日提出)

提言一 市民一人ひとりの防災意識の向上を図ること

大震災から生命・財産を守り、発災直後の混乱を最小限に抑えるためには、日ごろからの市民一人ひとりの備えが何より重要であり、こうした意識を改めて市民に持っていただくことが不可欠である。

【具体的対策】
・市民防災憲章の制定
 
(家具転倒防止、食糧・水等の備蓄、火元・電源オフの徹底、常用薬品の備蓄、徒歩帰宅ルートの確認、家族間の安否確認方法・避難場所の確認などを促すための憲章を制定する。)
・防災意識向上のための啓発広報の拡充

提言二 地域助け合いの仕組み構築により防災力の向上を図ること

発災直後の数日間は、各自の備えに加え地域での助け合いが重要である。しかし、現状は、地域コミュニティが希薄化し、地域活動に消極的な市民も増え、公助に頼りがちな傾向が強まっている。こうした中、地域防災力の向上のためのしくみが求められている。

【具体的対策】
・要援護者(高齢者、障碍者、透析患者等)情報の把握と支援の仕組みの構築
・支援可能者(看護師、保健師等)情報の把握と組織化
・地域防災訓練の拡充
・災害時に、商店街、地元企業、病院等に、食糧・物資・燃料・施設・人材・医療等を地域に提供していただくための包括的条例「災害時地域連携推進条例(仮称)」の制定
 
*本条例については、現在、議員提案に向けて自民党横浜市会議員団で検討中。
・提言一・二(自助・共助)を強力に推進するための「街の防災課(仮称)」の全区設置(本市での経験を活かす観点から再任用、嘱託を基本とした組織とする。)

提言三 災害時広報の充実を図ること

災害時においては情報の不足が、避難の遅れ、帰宅難民の発生、交通渋滞、買占めなど様々な混乱を誘発する大きな要因となる。市民に冷静な行動を促すためには、正確な情報を速やかに伝える必要がある。特にIT弱者である高齢者への広報という視点も重要である。

【具体的対策】
・津波避難用同報無線の整備
・テレビ局との文字放送協定の締結
・ラジオ局(FМ横浜・コミュ二ティFМ等)との報道協定
・公用車への拡声装置配備
・ヘリ広報の実施
・自治会・町内会長宅へのファクシミリの無償貸与(受信情報を地域掲示板に掲出)

提言四 消防団等が安心して活動できる環境の整備と人員の拡充を図ること

発災時において、消防団、地域防災拠点運営委員、ライセンスリーダー等の役割は極めて重要であるが、活動の危険性に見合った保障等は甚だ不十分で、安心して活動できる状況にない。また、このことが慢性的な担い手不足の要因ともなっている。

【具体的対策】
・負傷・死亡時保障など保険の充実
・活動費助成の拡大
・災害時の役割の明確化とPR
・担い手の拡大

提言五 安心して避難生活が送れるよう地域防災拠点の機能拡充を図ること

大規模地震による避難生活は長期化することが予想され、備蓄の充実が求められる。とりわけ、高齢者、乳幼児、女性に配慮した備蓄の充実が必要である。また、暖房、照明、炊き出しなどのための燃料は極めて重要であり、多様な手段による確保策を用意しておく必要がある。

【具体的対策】
・高齢者、乳幼児、女性に配慮した備蓄の充実
(おかゆ、粉ミルク、哺乳瓶、紙おむつ、トイレパック、更衣用テント、断熱シートなど)
・自家給油施設、非常電源設備の確保
・炊き出し等のためのLPG燃料の確保(学校等での平常時利用の実施)

提言六 防災情報通信機能の充実を図ること

被害情報の正確・迅速な把握は、刻々と変化する状況の中で人命救助、避難勧告の発令、防災拠点への物資の搬送など様々な対策を的確に行うための基本である。発災時に、円滑な情報受伝達を可能とする通信基盤の整備が必要である。

【具体的対策】
・防災行政用無線の充実(アナログ無線機の改修)
・主要幹部職員への衛星電話の配備
・区災害対策本部代替施設等へのデジタル無線の配備

提言七 区災害対策本部の機能強化を図ること

区災害対策本部には、速やかに初動体制を整え、本部長の判断のもと目の前の事態に迅速・的確に対応することが求められる。そのためには、参集可能人員の把握や、区本部長の判断で物資や役務を調達できる仕組みの構築等が必要である。

【具体的対策】
・職員安否確認システムへの全職員の参加
・職員の居住区への配置の拡大
・区本部長の判断で物資や役務を調達できる仕組みの構築

提言八 危機管理体制の強化を図ること

現在、危機管理監が消防局長を兼務しているが、発災時、消防局長は消火活動、人命救助等の陣頭指揮に当たらなければならず、広範にわたる本市全体の 危機管理の総括は物理的に不可能である。危機管理監は専任とすべきであり、かつ、本市の組織等に精通した人材が望ましく外部登用は避けるべきである。
また、災害対策には自衛隊等関係機関との連携が不可欠であることから、平時から関係者を配置することなども有効である。
更には、公設消防力の強化を計画的に進めていくと同時に、その時々の現有体制で最大限力を発揮できる仕組みの構築が必要である。

【具体的対策】
・危機管理監の専任化
・危機管理室への自衛隊関係者等の配置
・市長・副市長に直結した全庁をより統括できる危機管理室への移行
・災害対策を迅速に進めるための別枠予算の確保
・公設消防力の強化(隊員の増員、車両の増強、物資輸送用ヘリの導入等)
・現有体制で最大限力を発揮できる仕組みの構築

提言九 仮設住宅建設場所等をあらかじめ明確に指定しておくこと

東日本大震災では、遺体安置所等の事前指定がされていなかったために混乱をきたし、また、がれきの仮置き場、仮設住宅の建設場所等の選定に時間を要 した。復旧・復興への速やかな移行を可能とするためにも、これら受け入れ施設を方面別に具体的に指定しておくことが必要である。その上で、事務の推進方 法・体制を明確にしておくことが必要。

【具体的対策】
・遺体安置所の指定と同施設への防腐シートの備蓄
・がれきの大規模仮置き場の指定と分別・収集運搬の手続きの明確化
・仮設住宅建設場所の指定と事業推進体制及び発注方法の明確化
*いずれも被災状況に応じて柔軟に対応できるよう方面別に指定しておくことが必要。

提言十 交通渋滞緩和のため関係機関に働きかけること

東日本大震災に際しては、ここ横浜でも市内各所で大渋滞が発生した。これら渋滞の原因は様々であるが、長時間にわたる踏切遮断が大きな要因となった ことは明らかである。大規模地震の際は、電車運行再開までに相当の時間を要するため、その間は踏切を開けるなどの柔軟な対応が渋滞解消に効果的である。

【具体的対策】
・踏切遮断時間を極力短くするための鉄道事業者、警察への働きかけ

今回の提言から割愛したもの

【対策を講ずるに長期間を要するもの、多大な財政負担を要するもの等】
・消防装備等の強化(防火水槽・消火栓の増設、災害監視カメラの更新、消
防団可搬ポンプの更新増強、衛星電話等の分団配備等)
・保育所、地区センター等公共施設への防災無線の配備
・防災拠点へのパソコン配備
・河川護岸のかさ上げ
・消防出張所建て替え、消防団器具置き場の更新
・新市庁舎整備
・MM地区への大規模備蓄庫の設置
・各都市からの応援部隊の受け入れテント設置場所の指定
・地域における防災責任者の選任
・地域が所有する車両の緊急車指定(ステッカーの貼付)
・区長への「通行止め」発令権限の付与(国への要望)
・簡易検死の実施(国への要望)

【既に市において取組を進めているもの】
・帰宅困難者受け入れ施設の指定
・津波避難ビルの指定
・区役所への連絡用自転車の配備
・特養における高齢者の受け入れ
・学校耐震、区庁舎耐震
・地震計の更新配備

震災に強い都市「よこはま」を確立するための十の提言
~自助・共助を基本とし、効果的な公助により市民の生命・財産を守る~

自由民主党

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